吹き抜けを上から見える家

京都北部、大江山の麓に位置する古民家です。建物は築100年程の農家だった家です。過去2回程大きな改修を行って来ています。一度目は茅葺き屋根から日本瓦屋根に改修し、二度目は炊事場等が土間から床上に変わった頃改修した様でした。一階の階高は高く、屋根裏の大きな床上に変わった頃改修した様でした。1階の階高は高く屋根裏の大きな建物です。建築主は50代半ばのご夫婦で現在祖母の3人暮らしで、子供さんは都会に出ている状況です。今回の改修要望は祖母さんは離れの建物に居住されているので、母屋に祖母の部屋を造りたい、また間取りを含め水回りを刷新したい、現在屋根裏は玄関ホール横の廊下の天井面にスライドタラップ階段を利用しているので固定階段を設置し、屋根裏に物入兼小部屋を造りたいと願っていました。水廻りはキッチン・風呂・勝手口土間、洗面、小部屋(洋間)、トイレを煩雑で狭く、窮屈な状態になっているのでゆったりした間取りを要望されていました。

設計にあたって祖母の生活、屋根裏部屋の為の固定階段の新設水廻りの刷新、煩雑の解消が大きな課題としてありました。まず階段の設置について設置場所により全体のプランも大きく変わるため色々と想定した結果、今と背中合わせの寝室の収納部分に階段を設置することがベストと考えました。そして居間、和室ゾーンとDK、老人室ゾーンに区分けしました。建物全てをバリアフリーとすることは不可能でしたので、居間とDKの境界1か所にH=275の段差を設け2つのゾーンに分けました。DKゾーンはDKを中心とし、洗面、トイレ、老人室への短く、明確な動線とし、煩雑さの解消と同時に祖母さんの生活しやすい空間としました。居間、和室ゾーンは屋根裏部屋、階段、寝室を、居間を中心とした空間としました。屋根裏部屋は南面に明り取りの小窓、居間側には引き違い障子窓とし、明り取りと小部屋の解放感を和らげることとしました。また、一階居間は吹き抜けとし、屋根裏部屋からは吹き抜けを上から見ることができ、吹き抜けの裸の化粧梁や木組みの見える空間とし、力強く大きなゆったりとした空間となりました。また、吹き抜けの北面に高窓があり、柔らかな明かりのある空間となり、家の中心の場であり憩いの場となってくれると思います。

丸梯子のある家

京都北部日本海側に面する町にあり、道路より一段上がった場所にある古民家です。カヤ葺きの家として建てられたものですが後になって大屋根部分を日本瓦屋根に改修され、数回にわたり下屋を追加された建物です。かつては玄関から奥に向かって土間で炊事場があり、玄関左側は牛を飼っていたところや便所があった昔の農家の建物でありました。炊事場が土間にあったものを昭和30年代に入り、床を上げ、天井を張った部屋に改修しましたが、天井の低い部屋となっていました。土間にあったかまどにより太い梁、大黒柱は黒くいぶされて存在感のあるものとなっておりました。外部は海に近い所から土壁の上に杉板貼りとなっております。屋根裏は藁や焚き木の置き場として使われていました。屋根裏には土間玄関から丸梯子で上り下りをしており丸梯子は今も存在していました。このような現況の為、内部の暗さ、所々での段差、天井の低さ、水廻りの刷新等を望んでおられました。

暗い、天井が低い、床の段差があるといった問題点を解消するにあたり、まず余り使われていない部分(下屋)を減築することにより、外からの明るさや換気を取り入れることができました。段差に関しては、和室に入る部分のみ全て同一レベルのバリアフリーとし安全で動きやすくなりました。低い天井については横断している梁の最高高さ(1.9M)を基準として床の高さを決定しました(従来より少し下げています)。ただ既存より床下が少し低くなったため床下換気には十分配慮しました。同線の中心となるホールを広く取り、洗面、トイレ、DKへの動きが単純化し、煩雑さも解消できました。玄関は屋根裏まで吹き抜けとなっており、暗くぼんやりした空間で風の強い日にはスス、ホコリが落ちてきていました。屋根裏の床梁の位置に天井を張り明確な天井となり、屋根裏に上がる丸梯子は屋根裏床梁まで残し、天井面に横引の入り口戸を取り付けました。大黒柱や黒くいぶされた梁は化粧として見えるようにし、丸梯子と共にこの家の歴史として存在感を表しています。また外部は海風対策として海岸側によく使われている杉板の張り替えとし、その上に古色を塗装し白壁とのコントラストを明確にした外見としました。