蔵の中から、こんなものが・・激動の日本史編

現在、酒蔵のあったお宅を、道路築造による移転のために解体や一部保存の工事をしております。蔵は、曳き家(メンヨーという)で再建します。150年以上の歴史を持つお宅も人力解体し、再建築を計画しています。

 そんな工事中の中から、ヒョンなことから貴重な歴史資料が出て参りました。解体処分されるはずの板に混じって、どうも気になる文字が見えたのです。「太政官・・」「なんだこれは!」良く読むと「太政官布告・・・慶応四年三月」正に、江戸時代(慶応)から明治に変わる激動の始まりの年ではありませんか!これは、あの太政官布告だ!・・ちなみに私は、大学時代史蹟研究会に所属しており、大学の史学科を志したこともありますので、この程度の知識はもっておりました。

早速大工さんに、この板はどこにあったのか、二枚しかなかったのか、を尋ねました。大工さん曰く、「全てを移転した空っぽの部屋に、棚板に板切れが二枚あっただけ。」とのことでした。それを、板ごみと思い、外に放り出しただけのようです。

ちなみに、この板(「高札」といいます)の話しを、早速インターネットで調べましたので、少しだけご紹介します。その前に、実物写真をご紹介します。

慶応四年(1868年)3月に、太政官(幕府に変わる新政府の形態)が五箇条のご誓文と「五榜の掲示」を太政官布告として出しました。旧幕府の高札を撤去し、そのかわりに五種類の高札を建てることを命じました。その内容をご紹介します。

 五榜の掲示
第一札:人としての「五倫の道」を正し殺人・放火・盗み等の禁止
第二札:徒党・強訴・逃散の禁止
第三札:キリスト教の禁止
第四札:万国公法に従うこと
第五札:郷村脱走(浮浪)の禁止
永年掲示「定三札」(第一札0第三札をいう)

今回見つけた高札は、この内の第一札と第三札の内容のようです。古い家を取り扱っていますと、様々な歴史を知ることが出来ます。当社の倉庫には様々な歴史が埋まっています。興味のある方は、是非お尋ね下さい。

ちなみに、この高札は丁重に家人の方に保管していただこうと思っています。

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