今、改修中の民家から・・

現在、由良川沿いに綾部に向かって3軒の古民家の改造をさせていただいています。
1軒は、本日内部の検査をさせていただきました。あと数日でお引き渡しができます。
このお宅のポイントは、玄関わきの格子、きれいな構造体の柱と梁だと思われます。近日中に写真班が撮影とのことですので、あまり多くをご紹介いたしませんが、年月の経過にもかかわらず、きれいに組まれた格子の美しさが印象的です。また、大黒柱はケヤキ、その他の小黒の柱も栗と思われますが、きれいな仕上げで当時から良い材料を使用していたものと思われます。





次のお宅は、一度床部分を撤去しコンクリートを打設した後、再度柱を立てて復元を図っています。2階部分は、改修の予定がなかったのですが、屋根裏の痛みを発見し、急きょ一部補修することになりました。屋根裏には、多くの藁や蓆が真っ黒になって保存されていました。現場監督の武田さん、左官の上村さんのお手伝いで何とか撤去することができました。




二人とも真黒です。本当にごくろうさまです。
3軒目のお宅もだいぶ改修が進んでまいりました。壁も立ち上がり、2階の部屋の改修が始まっていました。


古材と液体ガラス




雪も解け春らしくなってきました。急ピッチで進む法林寺様の庫裏ですが、前の庫裏から引き継がれた古材部分の保存を考慮して画期的な方法で仕上げようと考えています。
 すでに半年以上前から、検討してきたことですが古材を守るための方法として、液体ガラスの塗布方法を考えています。
当社は、昨年の暮れ、この液体ガラスを木材に塗布することによる有効性についての研修や塗布技術の講習をすでに終了しています。
 この画期的な液体ガラスの使用については、昨年の6月27日のTBSテレビ放送の【夢の扉~NEXT DOOR~ 】  『日本の森林を守るために木材の有効利用を考えたい』  ドリームメーカー/『東大の木材博士』こと安藤直人先生  ナビゲーター/阪本麻美さん      
 【安藤直人 さんのマイゴール】  『2015年までに木造住宅の性能向上で人と木の共生を』
を見たのがきっかけでした。白アリを寄せ付けない。人体に害がない。木の弱点である燃えやすいことや腐りやすいことから、木材の可能性を極限まで追求しておられる安藤先生の取り組みに共感を得ました。上海万博にも展示された「液体ガラスを塗った木」の紹介は私に多くの興味を抱かせてくれたのです。
 その後、この液体ガラスとの出会いは間もなく実現いたしました。日経のホームビルダーが取り上げたのです。
私は、即この製造元を突き止め、連絡を取りました。その結果、この液体ガラスを販売する会社の方が当社を訪れてくれました。その時、私の提案である「古材への使用」を非常に評価していただいたとともに、積極的に取り組む姿勢を示してくれました。
そして、昨年暮れの講習となったわけです。講習当日は、日刊工業新聞社の方もわざわざ大阪から取材に来ておられました。
今後、この液体ガラスにつきましては詳しく説明をしていきたいと思っています。


年寄りの冷や雪(水)?シニヤのスキー三昧!


今年初めてのスキーに行ってきました。私以外の方は、みなさん何回か滑りに行かれているようです。私はちょっと無理をして、今回初参加です。


教念寺様ご夫婦
当社のお客様でもある教念寺のご夫婦や芦田様、それにお医者様や…の方々など総勢7名合計年齢428歳のスキーヤーがスキージャム勝山に集合いたしました。
 私は、今年からヘルメット姿で赤と黄色の衣装を替えての滑りです。還暦まではあと2年あるのですがね。スキーパンツを赤に新調です。
やはり、スキーはスピード感が面白い!一年ぶりの滑りに大満足!チョイ調子に乗り、今回大転倒いたしました。ヘルメットをかぶっていてよかったよかった!年寄りの冷や水はいけませんね。でもスキーは楽しいです。満足満足!

おお!カニ様!?

生きた松葉ガニ

昨日、舞鶴に用事で出向いた帰り、久しぶりに鮮魚の安い魚屋さんに寄ってみました。実は先月、沖縄へ行く直前に、このお店から生のズワイガニを送っていただいたのです。なんと二日後に沖縄についたのですが、まだカニは生きていたとか。そのことを思い出して、家でも久しぶりにカニすきをと思い、立ち寄ってみたのです。
 朝漁港に入ったカニが水槽に入っていました。緑のタグのついたカニを進められました。地元のカニだからおいしいとの進めもあり、ついに3匹も買ってしまいました。タグのついたカニなど買うことはめったにありません。そこでつい、記念撮影です。

日本近海で取れたカニには必ずタグが付いており、これが品質保証にもなっています。京都府の漁港に入港するカニのタグは緑のようです。
料亭でしか食べられない丹後半島の有名な間人(たいざ)カニも緑のタグです。
 ちなみに、タグのついていないショッピングセンターなどで売られているカニはすべて外国さんと考えていいでしょう。
 やはり地元産のカニは最高でした。満足!満足!

古民家の解体と古材に思う!・・・

最近、古民家の解体の調査を4件ほどさせていただいた。どれも新たに家を再建築するための解体が多いです。残念ながら、全部が当社による再建築というわけではありません。
 中には、屋根が落ち、再生するには数千万円の費用がかかるであろう立派な家もあります。こちらは、思い出の古材を一部使い、小じんまりした家の建築を目指すことでなんとか古材を生かそうとしています。



解体費用にあまり無駄なお金をかけたくないということもあり、なんとか古材を買ってもらえないかという相談が多く、調査にいきます。こういう物件は、確かに梁や桁・柱などの構造材にケヤキや松などの大きな部材を使用していることがあり、いつも匠の素晴らしさに感動させていただくことばかりなのですが、ではいざ使い道があるかといえば、同じ構造材としての使用は皆無に近いのが現実です。大きすぎて、現在新築する材料としては使用不能となるわけです。
 実際、意匠的にもきれいで新築の建物に活かせる古材は非常に少なく、今の建物にあった太さや長さといったサイズが乏しいのも現実です。
 古民家再生の中で、移築再生というのがあります。これは大変費用のかかる仕事だと思います。これは、施主様が解体時からの費用に対する理解と古材に対する思い入れがないとできないと思っています。
 費用をかける限り、再生時に、やはりきれいな仕上がりや強度をもとめるのは当たり前のことですので、どうしても全てを古材で再生することに抵抗を感じ新材の使用を考えてしまいます。その使用のバランスが難しいですね。虫食いのあとの残る古材を使うべきか否かなど・・・



また、昔の匠が建てた家をバラス(手解体)というのは、大変に抵抗がありますね。やはり魂の入った物が、一つ一つの部材に変わることによって魂が消えていくのがわかります。やはり部材になると存在感のある大きな梁や大黒柱などは別として、ほとんどが弱々しくて、再び使えるのかという気になりますね。大黒柱などもバラサれてしまうと「こんなもんだったの?」と結構貧弱に見えるときがあります。
 こう考えると、現地でバラサずに再生していくのが最も良いのではと思っています。傷んだ部分を直し、住みやすいように組み替える。これが一番なのではないでしょうか。



 通常人が住まなくなりますと家は傷みが早く、屋根から朽ちていきますが、人が住んでいる限り、何とか修繕は効くものです。あきらめてしまわず、再生させていただいたお宅もたくさんあります。
それでも再生がだめなら、新築の一部に旧家の思い出の部材を使わしていただくことです。こちらも構造材としてだけではなく、意匠材としても十分活用があると思います。

 一番困るのが、遠方に古民家があり、そのままにしておくと大きな家なので近隣に迷惑がかかるという場合です。
そんな場合は、一つは田舎への移住を考えている方への売却です。当社は不動産部門でこのような方々への仲介をお世話させていただき、都会からの方々との交流を図っています。
また、どうしても費用をあまりかけたくなく、価値ある大きな家の処分を考えておられる方には、当社も加盟しています日本民家再生協会(JMRA)の民家バンクへの掲載をご紹介いたします。譲り受けたいという方(移築再生希望者)がおりましたら、譲り受けということも可能です。
 ともかく、価値ある古材をどのようにしたら有効に残していけるのか考えています。今でも毎日100年以上たった古民家が解体され、価値ある古材のほとんどがチップになっています。本当の木の強度を発揮(ヒノキは150年前後が最も強度を発揮)することなく、次々と消え去っていく古材をどうしたら守れるのか、解体の見積もりを頼まれるたびに思います。

一年がかりの蔵の移動。メンヨー総集編


昨年の2月に移動を開始した蔵。家の解体や五葉の松の移動も終わり、造成盛土工事も急ピッチで進められる中、いよいよ主家の建築にかかる為、定位置への移動を終えました。ちょうど一年。その記録を改めて動画で編集してみました。

鎌倉の大仏様の胎内?!


先日の鎌倉の旅で久しぶりに鎌倉大仏を見てまいりました。
以前に訪れてから30年以上の年月が経っていると思います。今回、大仏の内部が見学できることに気付きました。以前から見学できたのかもしれませんが、まったく記憶に残っていませんでした。
20円を支払い中に入ってみました。大仏像が約40回にわけて鋳上げられた様子がよくわかります。
その鋳造法がすごいです。以下でその鋳造方法を動画で紹介しています。一度ご覧ください。
昔の人たちのスケールのすごさがわかります。
http://www.kotoku-in.jp/characteristic.html

「基礎下減震システム」

当社のニュー蔵漆で、西日本で初めて使用した地盤減震システムが、昨年の暮れ名称を変えて「基礎下減震システム工法~現代石場建て工法(基礎すべーる)~」という名称で、財団法人ベターリビングより「技術審査証明」を取得しました。

この工法を開発したのは、地盤調査や地盤調査の機械を開発しているビイック株式会社という会社です。
当社が古民家再生に取り組み、一方で伝統的木造建築の構法である「石場建て」の免震性に着目していたことから、ビイック社に「地盤減震システムは石場建ての工法の現代版である」とアドバイスしたところ、早速取り入れていただきこのような名称になったものと思われます。
 この「基礎下減震システム」は阪神淡路大震災並みの地震波(JMA神戸波818ガル・震度7クラス)を受けても建物の揺れを震度5強(250ガル)以下となることが(財)ベターリビングの技術審査証明事業によって証明されたことになります。
 一方1月の20日には、兵庫県三木市のE‐ディフェンス(実大振動破壊実験施設)にて、国土交通省関連団体主催のもと、伝統的木構法で建築された建物の実大振動破壊実験が行われました。建築基準法が想定する400ガル(きわめてまれに発生する大地震相当)と818ガル(阪神淡路大震災相当)の人口震動により、この伝統的溝法で建築された建物を揺らしました。
結果は、1階の土壁が破壊されたものの、鈴木委員長は「土壁の損傷部分を修理・・補修が可能・・今後も使い続けられる・・」として、今回の実験で伝統木溝法の建物が建築基準法の設計要件を満たしたことが確認できたとしております。⇒「伝統的溝法の設計法作成及び性能検証実験」検討委員会http://green-arch.or.jp/dentoh/experiment.html参照
 今後ますます注目されることになるであろう、伝統的木造建築や石場建て、そして「基礎下地盤減震システム」に、より前向きに取り組んでいきたいと思います。
 この2月5・6日と、当社の営業企画部の精鋭5名が、早速舞鶴のポリテックカレッジにて、今後伝統溝法の計算の基礎となる、限界耐力法計算の勉強に挑戦しました。後日報告があると思います。私も、振動実験委員長の鈴木先生の講義を受けたことがありますが、・・・・??でした。

当社の施工実績です。








古民家再生見学・蔵・長屋…鎌倉編

JMRAの事業者の会の懇親会後の宿泊場所は、ホテルニューカマクラという宿泊施設でした。駅に近い所にあり、女性がちょっと気になる建物のようです。

本館は築80年の戦前は「山縣ホテル」といい鎌倉でも有数なホテルとして営業されていたようです。



芥川龍之介と岡本かの子が運命的な出会いをしたのもこの場所だったとか。

ホテル入り口には、最近の映画の風景にもなった写真が飾られていました。

部屋の中もちょっとレトロでした。





お風呂が小さいのが、親父たちには不満でしたが・・・
では、民家再生の見学会の動画をどうぞ・・・

日本民家再生協会事業者の会・・鎌倉編

2月の5・6日と日本民家再生協会JMRAの登録事業者の会の研修会に参加してまいりました。開催場所は神奈川県の鎌倉市という風光明媚な観光名所や寺院などが顕在する地です。
 私は、もともと関東生まれなので小学生のころより何度か訪れていまして、車で2~30分のところに我が家の墓地もある曹洞宗の菩提寺があることから、今でも鎌倉の近くまでは頻繁に訪れています。
 今回は、事業者の研修と古い建物の見学会ということもあり、ゆっくり鎌倉を探索してみようということで泊まりがけでの参加となりました。

参加者は全国に100事業者近くいる登録事業者の中から30余りの業者が集合しての研修会です。
 一日目は、登録事業者の会の事務局より、相談員講習の趣旨説明と民家バンクの登録までの調査の流れや実態説明などが行われました。

続いての講演では、「地域の伝統技法が消えていく・・・古建築・河村邸調査」という演題で、高知からお見えになられました元四国職業能力開発大学校教授の中脇修身先生の講演を聴講させていただきました。
 中脇先生のお話は、江戸末期から明治にかけて建てられた高知の古民家の主屋や土蔵の調査の記録を映像や図面を使って御報告され、とくに土佐漆喰について特徴的な技法や特質について詳しくご説明をいただきました。

 現在では、土蔵や純日本建築でしかお目にかかれない漆喰ですが、そのなかでも特徴的な土佐漆喰については、今回初めて聞く内容でした。
 本来の伝統的な土佐漆喰の工程は、近くでとれる石灰岩を窯で焼き上げるところから始まるようです。窯が1000℃前後の温度になった時に、粘りの調整に工業塩をふりかけ4日後位にとりだし、放水すると生石灰から消石灰になるそうです。昔は女工が細かく砕き自然消化で粉末にしたのだとか。この粉末にする工程を「ふかす」というのだそうです。
 土佐漆喰は、いつだれが考案したのかははっきりしていないとのこと。土佐漆喰は耐久性の良さから土蔵によく使われたようで、ながせの時期(梅雨の時期)の左官の塗り仕事が一番よいとのことでした。工程も下地の竹を組む(竹小舞)⇒あら壁塗り⇒乾燥⇒中塗り⇒乾燥⇒漆喰塗りと長時間の工程のため、コスト高となり、次第に合理化され、工事量も減り、本来正当にできる左官職人が激減しているとのことでした。
 土佐漆喰は、稲藁のスサを発酵させて、混ぜ合わせて塗るため、塗った当初は土色というか肌色のような色をしているのですが、半年か一年たつと真っ白になるのだそうです。
鏡面のような仕上げになり、仕上げは手のひらを使って磨くのだとか。その作業の様子を貴重な映像で紹介していただきました。最近では、土佐漆喰が姫路城の仕上げにも使われているとのこと。
小舞に用いる竹は、やはり木と同じように新月伐採がいいようです。とくに秋の彼岸過ぎの新月に切る竹は虫もつかず、いつまでも壁下地では青いまま100年以上も残されることもあるようです。


小舞を編む縄は、「わらび縄」が最高とのこと。蕨の根っこで編んだ縄です。

有益な研修の後は、当然懇親会です。徒歩で歩き、中華料理の有名なお店で懇親会となりました。
この日の宿泊場所や鎌倉見学については、明日ご報告いたします。

2月最初のブログ・・リフレッシュ!

2月に入り、綾部でことし2件目の古民家再生に入りました。今は、内部の解体が始まっています。
解体もいつものメンバーがしてくれています。先日のDさんのお宅もお世話になっています。彼らは古材等の扱いにも慣れており、必要な部分は丁寧に扱ってくれます。


長い年月が経っていますので、痛んでいるところもあります。もちろん過去にも何度か修繕をしておられます。今回はちょっと大手術になります。

基礎から手術します。床も全部撤去しました。天井の煤竹はどうしましょうか?現場監督の武田さんと設計の担当者・プランナーどんな答えが出るのでしょう?楽しみです。もちろん私も・・・

さてこちらは先日ご紹介したD邸の現場です。
すでに基礎の一部が施工され、新しい補強の構造材が据えられています。

D邸の床もきれいにとりはらわれています。玄関にはコンクリートが打設されました。


格調高い欄間がそのまま残っています。よいものは残すことを考えましょう。

何事もリフレッシュは大切です。住まいも、車も、鞄も、靴も、道具も、丁寧に扱い磨いたり部品交換したりしてリフレッシュすれば長く生き続けることができます。
人間も同じではないでしょうか。リフレッシュ!大切だと思います。
私の冬のリフレッシュはこれです。残念ながら今年はまだ一度も滑っておりません。
今度の休みに行く予定です。これは昨年の勝山での滑りです。