太陽光発電について…最終回

 ところで皆さんは、太陽光発電の取り付けられている家庭で作られた電気エネルギーは、そのままその家庭の電気に使用されているとお考えでしょうか?
残念ながらそうではないように思えます。太陽光発電装置の屋根からつくられた直流の電気は、パワーコンディショナーという装置を通って交流電流に変えられます。そこから、電力会社の交流電流と合流して一般電力として供給されていく仕組みになっています。ですから、発電者の家庭の電気設備に直接!供給されているようには思えません。
例外として、電力会社の供給を断ち切り、独自で直接自らの家庭用に供給設備を作ったり、家庭内に蓄電設備を設置して、独自の供給を行っている場合は別ですが、通常の電力会社の供給を受けながら太陽光発電をしている場合は、自らの屋根の発電エネルギーは直接そのまま使われていると理解すべきではないと思われます。
つまり、私の家で使われている電気は、電力会社から供給されている電気のみを使用しているのであり、屋根で発電された電気は、電力会社に供給しているだけと考えるべきなのです。昼間太陽光発電した分の電力量と家庭内で使用した電力量を置き換えて(これを自宅で使用の自家発電量としています)、相殺して余った数字の電力量が売電として、電力会社に購入していただく数字となるわけです。ですから、売れる電力量の代金だけが最近倍になったということなのですが、昼間使用する電力が多い家庭はあまりプラスになりません。
私も自らの屋根で発電された電力は、自分の家庭で使えるものという考えでいましたが、やむなくあきらめました。そのためには、それなりの機能が必要となり、発電されない時のための蓄電機能一つ考えても高額で、何年かに一度は変えなくてはいけない等の弊害があり、今の方法を選択してしまいました。
ですから、現在の家庭用太陽光発電を直接自宅の電気設備に使用しているお宅というのは、本当に少ないのでないかと思っています。
当然、通常の停電が起これば、電気は使えません。ただ唯一、パワーコンディショナーに自立運転機能が付いている設備で、その切り替え設備から配線されたコンセントに限り、しかも太陽光のある場合に限り、停電時等でも電力機器の使用が可能なのですが。
ま、極端にいえば、停電してしまえばほとんど使えないと考えたほうがいいでしょう。
このような事実を知っている人も少ないような気がしています。
太陽光発電には、先ほど述べました「パワーコンディショナー」が結構大きな役割を持ちます。こちらは、簡単に言うと「太陽光発電の直流電流を交流電流にする」役目をする装置ですが、この機械が機能しないと電気が供給されません。(つまり売電できません)
この「パワーコンディショナー」には、9割近くのものに自立運転機能が装備されていると思いますが、中には装備があっても業者自身が知らないで何ら対応できるようになっていない。ともお聞きします。
現在訪問販売等で太陽光発電を設置する人もいるようですが、このような知識を本当に業者が説明できているのか心配してあげます。
特定非営利活動法人 太陽光発電所ネットワークというところが、「太陽光発電の賢い使い方―停電・災害時の自立運転コンセントの活用―」という冊子やホームページをだしています。http://www.greenenergy.jp/ です。参考にしてみてください。
ところで、こんな文章を書いているからというわけではないのですが、先日突然我が家の太陽光発電がストップいたしました。以前は、落雷等があるとよくパワーコンディショナーが止まって、復旧に手間がかかったのですが、5~6年前にシャープさんが、無償でパワーコンディショナーを替えてくれましたので、このところ故障がなかったのですが・・・
先日、突然パワーコンディショナーの中のスイッチがOFFになっていました。復旧していただいたのですが、今回またもや、パワーコンディショナーを新しくしてくださるとのこと。これはわたくしの勝手な推測なのですが、シャープさんにしてみれば、前回の我が家のコンディショナーの装置もそうなのですが、一つのモニターとして、どのような故障が発生するのか確認したいのではないでしょうかね?11年以上使っていると、結構いろんなことが発生しており、データーが必要になってくるのではないかと思っています。
しかし、このシャープさんのように適切な対応をしてくれるメーカーばかりならいいのですが、現在メーカーが20社近くあるようなので、今後のトラブルが心配ですね。
今後、予測されるトラブルとして
① 屋根の雨漏りのトラブル。
② 発電量が少なく、話が違う。
③ パワーコンディショナーのトラブルや不適切な業者の対応。
④ 停電時の対応のトラブル。
等が想像されます。基本的には単純な構造の装置なので、それほど故障はないと思いますが、長い年月をかけないと費用回収が不可能な装置ですので、信用のおける業者や、近所にメンテナンスのできるメーカーであることが重要なポイントになると思われます。
どうぞ、皆様も以上のことをお考えの上、太陽光発電の装置をお選びいただきたいと思います。
太陽光発電の普及についての私なりの危惧する点を書いてみました。

No Comments

Post a Comment

CAPTCHA


%d人のブロガーが「いいね」をつけました。