2010年1月18日
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蔵漆
「民家」投稿 その3
●摂丹型民家・・大阪・兵庫に隣接する地帯
この型の名の由来は、昔の摂津国(大阪・兵庫)と丹波国(兵庫・京都)に広く分布し、この地域を摂丹高原(山地)と称していることにあると思われます。
妻入りで床上部と土間が縦割り型の間取りとなっており、部屋が直列式で通りニワ(土間)型というような特徴となっています。
能勢型ともいわれるように、大阪の能勢地方や兵庫県の篠山市周辺に相当数が現存しています。
小屋組は、北山型、北船井型と同じ「オダチ・トリイ型」です。
この摂丹型については、直列式の独特な平面形式をもつ妻入り形式の民家ということで、多くの方々が研究報告していますが、妻入りの家を平入りの家より上格の家構えとするニュアンスが伺えます。摂丹型は16世紀頃に、地域の名主・地侍などの村の上層部の住居形式だったということのようです。妻側から入る場合に必ず目につく破風の存在ですが、当時は破風の使用にも許可が必要なほど特権的なものだったということのようです。
摂丹型の古い遺構として旧「岡花家」(重要文化財。元は船井郡京丹波町に存在)があり、17世紀中頃の建立といわれています。現在は綾部市の大本教本部に移築保存され、「木の花庵」として茶会などに使われています。
今も毎日囲炉裏は火入れがされています。
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